どうして本当に重要なことを後回しにしてしまうのか

仕事に追われ毎日遅くまで働き、心身ともに疲れ果てる。今週末はのんびり温泉にでも行こうと思っていたが、終わらない仕事を持ち帰り休日も家で報告書の作成。ToDoリストを眺めながら「時間がいくらあっても足りない」と思っている人は多いはずです。

「時間が出来たらあれをやろう」では、いつまでたっても大事なことは後回しです。

スティーブン・R.コヴィーの「7つの習慣」は全世界で3,000万部を売り上げたビジネス書の大ベストセラーです。その中から第3の習慣・重要事項を優先する方法を紹介します。

時間は有限である

むかしむかし、あるところに仕事熱心な一人の木こりがおりました。
毎日、せっせと木を切っています。
そこに、一人の青年が訪ねてきました。
「1日にどれだけの時間、木を切っているんですか?」
「先月は1日8時間だったが、今月は1日12時間だよ」
毎日毎日木を切っていた木こりの斧はどんどんボロボロになり、切れ味が悪くなっていました。
それを見た青年は、
「どうして、斧を研がないのですか?斧を研げば、今よりも早く木を切ることができるのに」
ため息まじりで木こりは言いました。
「木を切るのに忙しすぎて、斧を研ぐ時間がないんだよ」

仕事にしろ私生活にしろ、私たちは目の前にある危機にばかり時間を奪われがちです。その際、「もっとしっかり計画を立てておくべきだった」「予防をしておけば良かった」などと反省するのはまだマシな方で、忙しかった日中の埋め合わせをするかのように深夜まで暇つぶしのゲームに没頭することもあります。

スケジュール管理をしていても、急ぎの仕事を締め切り順にこなしているだけでは時間は生まれません。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」のですから。

時間管理のマトリックス

活動の優先順位を決める要素は、重要性と緊急性の二つがあります。それら二つを軸にした時間管理のマトリクスが次の通りです。

緊急 緊急でない

Ⅰ. 期限の迫った仕事、トラブル Ⅱ. 人間関係、予防、計画・準備、余暇




Ⅲ. 会議や電話、飛び込みの仕事、報告書 Ⅳ. 雑用、暇つぶし

いつも忙しくしているあなたのToDoリスト(もし、ToDoリストが無ければ、今日やった活動を思い出してみてください)の項目を時間管理のマトリクスに当てはめてみて下さい。あなたはⅠ〜Ⅳのうち、どの活動に時間を割いていたでしょうか?

常に時間に追われていると思っている多くの人は、ⅠとⅢの緊急な仕事で埋め尽くされています。

Ⅰ〜Ⅳの特徴は(やや誇張して書くと)次の通りです。

第Ⅰ領域. 重要かつ緊急なこと

予防や準備を怠ったために発生し、時間の経過とともに状況は悪化する。

第Ⅱ領域. 重要だが緊急でないこと

簡単に片付けられるものでないし、緊急ではない。そのため後回しになりがち。

第Ⅲ領域. 重要でないが緊急なこと

多くは他者の活動の優先順位の押しつけ。

第Ⅳ領域. 重要でなく緊急でないこと

日々、第一領域と第三領域の活動で忙しくしているため有意義な時間の使い方が分からず、無駄に時間を浪費する。

緊急な仕事の多くは表面化しており、そう遠くない未来にやらざるを得ない状況に追い込まれます。逆に「重要だが緊急でないこと」の実行は、個人の主体性に左右されます。

多くの人は他者との約束を優先します。その結果、緊急な活動ばかりが増えてしまい、主体的に取り組んでいかなければならない第二領域の活動を後回しにしてしまいます。後回しにされた活動は、やがて重大な問題となって私たちの目の前に現れ、さらに多くの時間を奪っていきます。

では、限られた時間の中で第二領域の活動の時間を生み出すには、どうすれば良いのでしょうか。

本当に重要なことを活動の中心に置くには

重要でない第三領域の活動に対しては勇気を出して「NO」と言ってみましょう。その仕事を重要だと考えている他者に任せる、あるいは効率的な仕組みづくりを推進することで第三領域の活動を減らすことができます。

また、第二領域の活動によって第一領域の活動を減らすことも可能です。

例えば、あなたは歯医者嫌いで、歯科検診を怠ったとしましょう。そのうち虫歯ができ、痛くてどうしようもなくなって初めて歯医者に行きました。虫歯は酷く進行していたため、治療に掛かる時間も費用もかさみます。「歯科検診に行くべきだった」と後悔しても後の祭りです。第二領域の活動である歯科検診を後回しにしたために、酷い虫歯の治療という第一領域の活動が生じたのです。

第二領域の活動を行うにはエネルギーが必要です。充分な休息と睡眠を確保することは第二領域の活動を行う準備になります。暇つぶしのゲームやネットサーフィンはやめて、いつもより早く布団に入ってみて下さい。

最後に、アップルの創業者のスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式のスピーチの一節をどうぞ。

私は毎朝鏡を見て自問自答してきました。
「もし今日が人生最後の日だったら、 今日やろうとしていることをやりたいと思うか?」
それに対する答えが“NO”の日が何日も続くと、何かを変える必要があると分かるのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です